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パイプミルとは?
当社では、”金属パイプを作る機械” を作っていますが、これを一般的に ”パイプミル” と呼んでいます。 金属パイプにも色々あり、自動車やオートバイに使用されるパイプ、石油のパイプラインに使用されるパイプ、冷蔵庫などに、熱交換をする目的で使用されるパイプ、家具に使用されるパイプなど、その用途は無数にあります。 また、用途ごとに、要求されるパイプの大きさ、材料が違い、自ずとその製造に適した機械が違ってきます。 当社では、それぞれの用途のパイプを製造するのに最適な機械を数多く揃え、直接的なお客様であるパイプ製造会社は元より、そこで生み出されたパイプを使用して頂く全ての方のお役に立っているものと自負しております。

では、実際どうやってパイプを作るのでしょうか? 実は、パイプの製造方法、その呼称はいくつかあるのですが、当社では、”継ぎ目溶接法” を利用して作る機械を作っています。ここでは、その中でも代表的な ”高周波電気抵抗溶接法” を利用して鉄のパイプを作る簡単なプロセスを以下に紹介します。
材料は、トイレットペーパーのようにコイル状に巻かれたものを使用します。その材料を、トイレットペーパーを使用する時のように、その端から引っ張り 出します。これをアンコイルするといいます。1つのコイルの大きさ、引っ張り出した時の全長には限りがありますので、1つ1つのコイルを溶接して接続し、連続運転を可能にする必要があります。 この、コイルとコイルを接続する為の溶接作業を、中継といいます。引っ張り出された材料は板状で、丸いパイプの形にする為に、その材料を端から曲げて いきます。このプロセスをフォーミングといいます。丸められた材料は、丸められたままだと、パイプのような形にはなりません。そこで、丸められた材料の端同士を溶接します。
この時の溶接方法を、”高周波電気抵抗溶接法” と呼んでいます。 鉄を溶接すると、鉄が溶けてビードが発生しますので、このビードが発生した溶接継ぎ目の部分のビードを除去します。これをビードカットといいます。溶接の為加熱されたパイプは冷却されます。 フォーミングして溶接され、元の材料はパイプ状になりましたが、そのままでは、欲しい外径寸法のパイプにはなりません。そこで、サイジングというプロセスを通じて、欲しい外径寸法のパイプにします。 過流探傷という検査方法で、パイプ表面傷の有無を確認した後、パイプを真っ直ぐにする矯正を行います。この地点までは、パイプは連続して生産されていますので、欲しいパイプの長さにする為にパイプを切断します。 切断されたパイプは、出荷の為に、所定の本数ごとにまとめられて、結束されます。
以上が、鉄パイプを ”高周波電気抵抗溶接法” で作る簡単なプロセスです。ステンレスやアルミのパイプを作るとき、違う種類の ”継ぎ目溶接法” を使用する時も、基本的には同じプロセスです。